久米宏

アナウンサーとしての職

私はこの人がニュースを読んでいる姿については非常に馴染みがあります、というキャスターの存在を自覚している人はそれとなくいるでしょう。中には既に亡くなってしまった人もいると思いますが、世間の情報を発信する立場にあるアナウンサーという職業はある意味では非常に重要な役割にあると思います。今でも人気の職業としてその地位を不動としていますが、私個人としてはアナウンサーになりたいとは思わなかったですね。アレだけの原稿を放送時間内に読み上げることがどれだけ大変か、またニュースを話しているときにも一言一句気をつけておかないといけないという非常にナーバスな現場での仕事は胃をすり減らされてしまいそうな気分になりそうです。ニュースは基本的に生放送、で行なっているはずですからそんな状況もまた緊張の瞬間が連続的に継続するあの時間、絶対に耐えられそうにありません。ではどうしてそんなアナウンサーになりたいと願っている人が多いのでしょう、調べてみると志望理由などもところどころで散見して確認することができますが、ほとんど確信を付いた情報が見られないので、個人的に考察してみました。

  • 芸能人に会える
  • 運よく、玉の輿に乗ることを企んでいる
  • 人気が出れば、収入が非常にいい

この三つが最も人間味のある志望動機ではないでしょうか。そんなことはないという人もいるでしょうが、アナウンサーとて一つの職業として成立しています。あとこれは意外と勘違いしている人も多いと良く聞くのですが、アナウンサーを芸能人か何かだと勘違いしている人が多いということを良く聞きます。これはまさしくその通りでしょう、確かに話術という芸を披露している点を挙げるなら芸能人に他ならないのですが、アナウンサーは基本的に放送局に雇用されている人間となっているので、ニュースなどに出演する以外の仕事も当然任されることになります。時には社内の仕事にあまり関係のない雑務をさせられることもあるでしょう、そのことを自覚していない人もいるとそんなことを耳にした事があります。これについては当然のことだと私は考えています、結局芸能人としてお高く止まっていても一般人からしたらアナウンサーも芸能人と同等だとみる人もいるかと思いますが、私からすればアナウンサーをそんな特別な仕事だと感じた事はありません。むしろこの職業を行えるだけ凄いことのようにも感じます。

何がすごいのかと考えたら、やはりその労働内容でしょう。アナウンサーとしての職におけるものの弊害を述べるとしたら以下の通りが考えられるのではないでしょうか。

  • 勤務時間が不規則、早朝・深夜関係なく働きづめになるのは当たり前
  • 収入は上がらない人の方が多いと考えるべき
  • 芸能人ではないこと
  • プライバシーはないものだと認識する

これが現実的なアナウンサーの実態ではないでしょうか。勿論現在メディアの中で活躍している人の中には年収が億単位を稼ぎ出しているアナウンサーも実際に存在していますが、そんなところに立てるのはやはり本の一握りでしかないのです。その上通常の会社員同様にデスクワークも存在している中でメディアに出演するとなったらどの程度の労働量になるかは言わないでもある程度は見当がつくと思います。これでもやりたいと考えている人はいるでしょう、それもこれも将来的に芸能人とめぐり合ってお金に困らない生活を手に入れることを目的にしているしたたかな人もいるかもしれません。この業界ではそんな思惑が所狭しと交錯しているので、そういった欲望を持って飛び込んでいく人もいるでしょうが世間一般からすればアナウンサーという仕事を芸能人だと認識している人のほうが少ないのでは、と思います。

でも実際には世間からは勘違いしている人というのがいるのもまた事実、そのようにアナウンサーを持ち上げてしまっているのはテレビ局がそうし向けてしまっている点にも問題があると思います。そしてアナウンサーとして入社することになっても数年したら芸能人に転身してしまう、なんて人もいるでしょう。それこそ売名行為であって、アナウンサーとしての本懐などとうに持ち合わせてないと思っていいでしょう。会社員なんですけどね、アナウンサーというのも。一見したらお姫様ないし王子様扱いされると調子に乗ってしまう人もいるでしょうが、大半のアナウンサーはそんな状況になる事は無く淡々と通常業務を行っています。恐らく肉体的な消耗率は土方仕事などに勝るも劣らないくらいの仕事量をこなさないといけないことを考えたら、やりたいとはまず思えない仕事だと、私は考えています。

そんなアナウンサーとしての仕事をしている人の中には、国民的な人気を獲得する人もいます。単純にルックスが好きだというアナウンサーにどんな要素を求めているのか丸分かりですが、基本は原稿を読むスピードと滑舌、語り口調といったことが求められていると判断できます。そんなアナウンサーという職に就いて今ではすっかりと大物フリーアナウンサーとしての地位を獲得している『久米宏』の方も多いと思います。そんな久米宏アナウンサーについてはここでは特集して行きたいと思います。

久米宏の生い立ち

久米宏さんは1944年7月生まれとなっています、今年で70歳という年齢になるんですね。もう少し若い方なのかなぁと思っていたのですが、案外そうでもなかったみたいです。久米宏さんが生まれた年はまだ戦時中であり、翌年にようやくすべての世界大戦が終局することになります。生まれた年の事を考えるともはや敗戦は間違い無しという雰囲気が強くなっており、翌年からは敗戦国として国民もそれなりに辛い生活を体験することになる時代でもありますから、久米宏さんも幼少期の頃は疎開などしていたそうですから苦労をしたことでしょう。この数年の間に生を受けた人のほとんどが苦労することになったといいます。ちょうど戦争の真っ只中で生まれるというのは過酷な状況であったことだけは確かでしょう。

久米さんは戦後、東京都品川にて幼少時代を過ごすことになりますが、この頃における第二小学校では政治家の丹羽雄哉さんと同級生だったのも逸話の一つとして紹介されています。その後1960年に現在の東京都市大学付属中学校を卒業することになります、この頃から頭が良かったのかもしれませんね。その後東京都立大学付属高等学校を1963年に卒業すると、同年には早稲田大学政治経済学部経済学科に入学を果たすことになります。

思いっきりアナウンサーを目指す上では最適な学部だったことは確かですね、取扱うニュースなどを考えたら大学などで詳しく勉強などを行っておけば、それだけで知識を付けられると考えたら、やはりそういった意味で将来的な道もこの頃から既に想定していたのかもしれませんね。しかも久米さんの一個下の学年には、今や世界的にもその人気を誇っている日本の大女優である『吉田小百合』さんを後輩としているというのです。一個しか違わないんですね、久米さんと。そういう意味で考えると、外見的にあそこまで違いというものが生じるものなのだろうかと疑問に思ってしまいますが、男性にと女性では容姿に掛ける金額の違いと考えれば、得心も行くと思います。

TBSに入社、その後

そんな久米宏さんは早稲田大学を卒業後にはTBSに入社して、アナウンサーとしての人生をきることになります。同世代には若林貴世志さん、宮内鎮雄さん、林美雄さん、青木靖雄さん、川戸恵子さんといった人もいます。でも良く調べてみると、久米さんは元々アナウンサーとしては志望していなかったということを述べているのです。成績が悪くて一流企業の推薦を取ることが出来なかったという、なんとも贅沢すぎる悩みで、やむを得ず選んだというのです。なんだか非常に腹が立ちますね、おまけにこの頃のアナウンサーやテレビ関係の仕事は就職率が急上昇していた時代にも関わらず、そんな中で見事に採用を勝ち得た久米さんを考えると、こういった発言をするのはそれだけ自分というものがどれだけ凄いというのを自覚している現れなのかもしれません。何処となく自信家なのかもしれません、当時や現在の状況を考えてもマスコミ関係の仕事に就く事を考えたとしても簡単になれるものではありません、きっと自分が受かるという確固たる自覚をしていたからこそ余裕といってもいいくらいな状況でアナウンサーとしての門に立つことになります。ただ入社直後に現在と変わらない激務と極度のアガリ症からか体調を崩してしまって結核を患ってしまったそうです。自分に対して自信を持っていると自覚している割には意外と繊細なところを持っているのかも知れません。でも大勢の人が見ているという意識をしなければならない状況にあると考えれば、緊張を覚えない人のほうが少々異常の様に感じられますし、久米さんの反応が基本的なようにも思えます。

こうした体調を崩した成果、1970年には番組のパーソナリティに抜擢されることになりますが病気発症のために僅か1ヶ月で降板することになってしまいます。折角のチャンスを勝ち取ったのにと思うところですが、さすがに結核を患っている人を働かせるほどテレビ局も鬼にはなれませんしね、久米さんにしても局側としてもタイミングが悪かったというしかありませんね。ただそう考えるとテレビ業界の苛酷な労働環境は70年代と現代ではほとんどその違いはないということです。アナウンサーという職業でこういった久米さんのように体調を崩す人がいるとなったら、その他の製作関係を行っている人はどれだけの人が体調を崩しているのか、見当も付きませんね。

番組は降板してしまいますが、体調との折り合いをつけながら着々とアナウンサーとしての実力を身につけていくと様々な番組を担当することになる中、12年間務めていたTBSを1979年に退社することになります。その後は皆さん御馴染みのあの番組などに出演してまさに日本に住んでいる人ならこの方のニュースを読む姿を見たことがないというところにまでその実力を全国規模で知らしめることになります。

久米宏さんのニュースを読む姿は私としても非常に馴染みあるものとなっています、アナウンサーとしての実力云々などを偉そうに語っているインターネット上の討論などを見かけますが個人的にはそんな判断が出来るほど、自分が物凄い立場にいるという自覚はないので控えておきますが美味い方なのではないでしょうかと付けておきます。賛否両論あると思いますが、久米宏というアナウンサーがその人気を誇っていた時代においてはほとんどの国民が彼の読むニュースを見て・聞いて、世間ではどんなことが繰り広げられているのかを知識として蓄えていたことだけは確かなことだと思います。